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2次試験対策(添削を終えて)

2次試験対策(添削を終えて)

 今回は2次試験対策として添削活動から全体の感想と対策について記載いたします。受験校から皆様が書かれた解答用紙が届き、毎日添削活動をしていました。昨年までは講師の方に添削をしていただいた立場から、今年から添削をする側にさせていただきました。気がついた点を以下に記載します。

①SWOT分析がしっかりできている方は比較的点数が高い
 SWOT分析の内部環境である強み、弱みをしっかり挙げられている方は点数が高い傾向がみられました。与件文は強みや弱みが散りばめられています。全てを盛り込むのではなく、優先順位が高い強み、弱みを的確に挙げる必要があります。優先順位が高い強み、弱みを挙げている方は後の設問間を意識して問題を解いている方が多いです。その結果、各設問間の一貫性が生まれ、納得感がある解答でした。このような解答は6割を超えています。
 対策として、優先順位が高い強みを列挙する場合、VRIOを意識すると効果的です。今まで事業をしてきたノウハウや技法などに注目してコンパクトにまとめます。これは模範解答や過去問を分析をすればコツが掴めると思います。汎用性の高いフレーズなどがありましたら覚えておきましょう。

②設問の課題と問題点を混同している
 これは初学者に多いミスです。問題点は事業を行う上でのマイナスになっている状況であり、課題は将来に向けて改善することになります。課題と問われたら、削減する、向上させる、などプラスの視点の言葉が続きます。イメージとしては弱み+改善の言葉です。この点を意識するだけで点数が上がります。採点者によっては課題、問題を意識がずれているだけで採点しない場合があります。2次試験経験者はこの辺のミスはしません。
 対策として、設問文に課題、問題点などの言葉が出てきたら、マーカーやペンで囲み注意を促しましょう。また模範解答から課題、問題点の違いはどうなっているのか確認しておきましょう。

③設問の制約条件を無視している
 設問文で問われていることを無視している解答がありました。設問にある制約条件は解答の縛りになります。設問で問われた内容は素直に解答した方が良いです。論点がずれると採点されません。模試の点数が低い場合は制約条件を無視している可能性があります。
 対策として、設問文は焦る気持ちを抑えて心を落ち着かせて読みます。与件文のリンク先のミスの防止や、解答に書く前に関連性が低い内容を記載していないか確認することが有効です。

④文字のはみ出しがある
 マス目からはみ出した解答がありました。最後の文字が書けず枠からはみ出して書いている方がいました。気持ちはわかりますが、本試験では減点になる可能性があります。工夫して入れ込むように書きましょう。句読点を減らしたり、「を」や「の」を無くすなど、直前の文字をコンパクトにまとめられるように練習しましょう。1点、2点で合否が決まりますので、この辺は細心の注意を払いましょう。
 対策として、写経を毎日やることで、文字が100文字など所定の文字数に収めることができる感覚が得られます。また120文字の解答を100文字、80文字で内容は変更せずにコンパクトにまとめるなど、練習してみてください。これは隙間時間にやればいいので、頭の体操になります。慣れると面白いです。

⑤点数は気にしない
 皆様は模試や答練を受けられて1点、2点にこだわるかと思います。私もこの時期は4事例を合計して240点になるのか確認して、「事例 I があと3点あればA判定だ」など点数にこだわっていました。採点して気付いたのですが、重要なのはA判定レベルの解答が書けているかどうかであり、B判定の中で数点の差はあまり意味がないことです。極端に言えば53点と55点の違いはキーワードが一つあるかないかの違いです。A判定の解答になるかどうかに重きを置いた方が良いです。A判定の解答はSWTO分析、設問間のつながりなど良く考えて解答が組み立てられています。B判定、C判定では半分くらいの完成度になっています。
 対策として、ご自身の答案がどうすればA判定になるのか紙に書き出して日々の学習に取り組んで改善、修正していきましょう。改善への目的意識を生み出すことがポイントになります。模試や答練を受けただけ終わりにするのは勿体無いです。80分間で取り組んできて、時間配分だったり設問文の読み方、ドメイン意識したのか、など色々反省点があるかと思います。次回に向けて改善点を紙に書き出し、修正していきましょう。

 以上が全体を通して気がついた点です。全体的に初見の問題を皆様良く考えて解答されていたと思いました。なお、受験校の講師の方々も問題や解答解説を作るのに相当の時間と労力を掛けていることも今回わかりました。講師の先生方の熱い思いがあるからこそ、私も添削をしっかりやらせていただきました。
 添削の感想ですが、とても疲れました。業務や研修後に添削をしていたのですが、1日あたり3枚、4枚が限界でした。本日全て終了し受験校へ発送しました。私の添削が皆様に届き、少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきましてありがとうございます。

投稿者プロフィール

uki-support
uki-support
2022年5月に中小企業診断士を登録しました。25年間製造業で技術者として従事し、2022年6月に退職して現在独立診断士として頑張っています。資格取得はFP3級、簿記2級、エネルギー管理士、QC検定1級です。趣味は旅行、写真、読書です。いろいろチャレンジしていきますので、ブログで紹介させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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