2次試験対策(ドメインの意識)
今回は与件分の読解力としてドメインを意識することをご説明します。与件文を解析するにあたり、ドメインを意識して読んでいきましょう。ドメインは「誰に」「何を」「どのように」の3つに分かれます。詳細については企業経営理論のテキストをご参照ください。1次試験では知識を問うのに対して、2次試験では実際に使って設問を解きます。実務補習では企業診断で実際に使いますので、ここでは診断士合格後を意識して与件文に取り組みましょう。私は与件文を深く考えず、与えられた問題の一部として捉えていましたが、実際の企業として取り組んでおけば実力も上がったと反省しております。それではドメインについてそれぞれのポイントをご説明します。
①顧客軸「誰に」
事業領域においての標的顧客になります。標的顧客は誰に対してなのか、与件文を良く考えて読んでいく必要があります。標的顧客がずれると解答骨子がずれる恐れがあります。特に事例IIでは標的顧客の設定ミスは致命的になります。サービスが誰に対して行うのか細心の注意を払いましょう。標的顧客は市場のニーズを求める顧客層になりますのでSWOT分析の際に機会「O」が現れた箇所にマークをして後で分かるようにしておきましょう。
②機能軸「何を」
顧客が求める機能(ニーズ)になります。標的顧客が求めているサービス、製品を的確に導く必要があります。ニーズについては物的機能「モノ」の他、心理的機能「コト」があります。事例IIでは体験など顧客に心理的価値を与えるような出題が増えています。このサービスを受けることで顧客はどのような価値を生み出し、他社と差別化ができるのか。など意識して与件文を読んでみましょう。
③技術軸「どのように」
標的顧客にニーズを提供する手段になります。この場合、自社の経営資源の強み「S」を使って提供します。また、経営資源が乏しい小規模事業に対して外部資源を使った提携・協力(機会「O」)も考えられます。強みについては、人的資本、設備などの物的資本、財務的資本の他、情報資源であるノウハウ、蓄積された経験、技術力、信頼力、ブランド力などがあります。強みを使って標的顧客にサービスを提供するようにまとめていきましょう。外部経営資源の活用は機会として記載されている可能性がありますので、SWOT分析の際に協力会社、提携会社等が出た箇所にはマークしておきましょう。
設問においてドメインを直接解答するような問われ方はしていないと思いますが、設問ではドメインを意識して解答骨子を組み立てるようにしましょう。過去問分析ではキーワードの入れ方や数に着目したり、解答の型(設問で「理由は」と問わられたら解答にも「理由は」と書く)にこだわることがあるかと思います。重要キーワードを入れることも大事ですが、設問を解く上でドメインを意識する方が大事だと私は考えます。実務補習で企業診断する際もドメインについて、かなり議論をして組み立てました。今の時期は時間はかかっても構いませんのでドメインを自分で何度も書き、理解をしながら学習を進めていきましょう。最後までお読みいただきましてありがとうございます。
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