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ザ・ゴールを再読してみて

ザ・ゴールを再読してみて

 8月ももうすぐ終わりますね。皆様、学習状況はいかがでしょうか。9月6日に1次試験の合格発表があります。平均点が低い場合や問題ミスの場合は加算する救済措置があります。希望はまだあります。1問で合格することもありますので、2次試験対策は今からでも進めていきましょう。
 今日は昔に読んだ「ザ・ゴール」を再読し、気付きがあったので診断士試験と合わせて考えてみました。直接試験対策になるのか分かりませんが、気晴らしに読んでいただければ幸いです。
 「ザ・ゴール」は生産管理の手法として制約理論を生産管理に適応した有名な小説です。DBR(ドラム、バッファー、ロープ)、ボトルネック工程など重要なキーワードが出てきます。この小説の中に気になるフレーズがありましたので紹介します。

①会社の目標とは?
 主人公のアレックスが恩師のジョナにメーカーの目標を問われた質問の回答しとて「メーカーの目標は、お金を儲けることであり、それ以外は目標を達成するための手段である」と回答したシーンがあります。これは事例Ⅳで考えるとCVP分析に当てはまるかと思いました。CVP分析は直接原価計算から求めます。全部原価計算について事例Ⅳは出題がなく、診断士試験は利益追求していることに重きを置ているのでは?と個人的に考えております。CVP分析のポイントとして、固変分解はミスしないこと、営業利益段階か、それとも営業利益段階までの計算か、安全余裕率の求め方、経営レバレッジ係数の求め方、など周辺項目について理解しておきましょう。
 アレックスは目標として「純利益、投資利益率、キャッシュフローの3つを同時に増やすことによってお金を儲ける」と本書に記載しています。事例Ⅳの過去問にROI計算、CF(FCF)計算が出てきますので、利益追求を念頭に考えてみても良いかもしれません。

②工場の3つの指標
 スループット、在庫回転率、販管費(販管費比率)の3つの指標で一番重要度が高いのはスループットである。スループットは単位時間当たりに処理できる作業であり、処理能力が遅いボトルネック工程に合わせることで在庫量を減らし、余分な販管費を下げることができる。これを事例Ⅲで考えると、在庫(仕掛品も含む)の発生は生産統制の現品管理になります。「移動・運搬のムダの発生」「仕掛品の定位置化してないことで動線が長くなっている」など、問題が事例Ⅲにありました。スループットを妨げている事例が多い印象があります。
 スループットを上げる一つの方法として「外注加工から内作に切りかえ、一貫生産体制を確立し短納期化を図る」など与件文の内容と設問文を照らし合わて解答が導き出せるかもしれません。

③真の問題を見つける
 書籍の後半になり、アレックスとルーとの会話の中に真の問題を把握し、原因を突き止めることについて記載しています。「それこそが問題の本質である『制約条件をみつける』ということであり、問題の優先順位を決めることよりも、何がその原因を引き起こしていることを追求することである」と述べられています。設問で課題や問題を問われたら結果を書くよりは、原因を中心に解答を書いたほうが良いと思います。稼働率が低い、離職率が高い、モチベーションが低い、などは結果になります。内段取り時間が長い、刃具交換時間が長い、チョコ停が多いなどの与件文にある真の原因を探し、記載したほうが納得感がある解答になると思います。

④思考プロセスの流れ
 問題解決の思考プロセスの流れとして、『何を変える』→『何に変える』→『どうやって変える』の順番になっていることが記載していました。これは結構使える考え方だと思います。事例の中で弱み、改善点があります。それを見つけ、弱みを改善したり、強みに変換していきます。今までの環境では強みだったものが、競合の参入により弱みに変わる、それを強みに変える方法として、組織をプロジェクト組織に編成して環境変化に柔軟に対応する、機能別レイアウトからGT的レイアウトに変更して多品種少量生産に量産的効果を生みだす、など意識した解答が書けるかと思います。

 今回は昔に読んだ本を再読することで新たな気づきがありましたので、ご紹介させていただきました。かなり強引なところもあるかと思いますが、2次試験の勉強で少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきましてありがとうございます。
 

投稿者プロフィール

uki-support
uki-support
2022年5月に中小企業診断士を登録しました。25年間製造業で技術者として従事し、2022年6月に退職して現在独立診断士として頑張っています。資格取得はFP3級、簿記2級、エネルギー管理士、QC検定1級です。趣味は旅行、写真、読書です。いろいろチャレンジしていきますので、ブログで紹介させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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